本当に「治る」ということとは|代替療法は自己治癒力を引き出すトリガーになる「トリガー・ベクトル理論」
健康や不調の改善のために、漢方を含む様々な代替療法を利用する方も多いと思います。しかし、不調の根本的な原因が分からずに様々な治療を行っても、本来の意味での「治る」ことから遠ざかってしまうことがあります。
そこで、減薬&漢方Cosmo Life Aidの「トリガー・ベクトル理論」を用いて、「根本的に治る」ことについて説明します。この記事を読んでいただき、ご家族の健康を考える上で様々な健康情報に迷った時に、参考にしていただければ幸いです。
トリガー・ベクトル理論とは
代替療法はすべてトリガーに過ぎない
漢方や鍼灸、ホメオパシー、キネシオロジーなど様々な代替療法は方向と大きさを持ったキッカケに過ぎないという理論です。
トリガーは一般的に「引き金」と訳されますが、キッカケのようなものと捉えていただいても構いません。ベクトルは方向と大きさの性質を持つもので、中・高校生の時に数学で学んだ記憶がある方もいらっしゃると思います。私たちはエネルギーです。私たちには、それぞれを意味する固有のエネルギーがちょうど心地よく振動できる位置(=座標)があります。自分自身が本来望んでいない思考や行動習慣を行ってしまうと、心地よく振動できる位置から徐々にずれてしまい、位置の乖離幅が大きくなるほど、症状が分かりやすく現れます。
この症状は、「こころと身体からのサイン」として、本来あるべき位置からズレていることを示しており、本来あるべき位置に却帰するためのトリガーにもなり得ます。しかし、残念なことに、多くの方はその症状だけを取り去ろうとします。症状だけを取り除いてしまうと、「こころと身体のサイン」であるベクトル的な効力がなくなり、本来あるべき位置からさらにズレてしまうことがあります。エネルギーがちょうど心地よく振動できる位置があることをご説明しましたが、座標のズレが定常化している状態に病名が付けられることになります。
このことから、座標のズレや原因を考慮しない病名処方が本質的でないことが分かると思います。代替療法は、座標のズレを本来あるべき位置に戻すためのトリガーになることができます。ただし、トリガーを正しく機能させるには、方向と大きさを持ったベクトルの性質を正しく扱う必要があります。
ベクトルの性質を正しく扱う方法
ベクトルの方向と大きさが重要
代替療法はベクトルの方向と大きさが重要トリガーが機能しても思考や行動習慣が変わらなければ、こころも身体も変わらない。
それでは、ベクトルの性質を正しく扱う方法について考えてみましょう。本来あるべき位置に対して、ベクトルの方向が真逆であれば、状態はより悪化し、ベクトルの大きさが小さければ変化を起こしません。漢方薬を例に取ると、生薬の一つ一つがベクトルの性質を持っており、その生薬の組み合わせで処方が出来上がります。それぞれの生薬のベクトルを足し合わせた処方が、本来あるべき位置とのズレに合致していると、漢方薬はトリガーとしての機能を果たし、驚くほどの効果を発揮します。
そして、面白いことに、生薬の数が増えれば増えるほど症状に対して網羅的になり、適応が広くなるため効果がぼやけてしまう性質があります。その反面、数が少なければ少ないほど鋭く効く性質があります。網羅的になるという部分については、葛根湯を例に説明いたします。葛根湯は7種類の生薬で構成されていますので、ピンポイントにピッタリとベクトルが合っていなくても、7種の生薬が持つベクトル空間の範囲内であれば何となく効いた感じがするのです。
何もしないよりは風邪が治りやすいので、売りやすく、葛根湯はここまで有名になったのかもしれません。ただし、忘れてはいけないのは、代替療法はただのトリガーであり、それで治ったことにはならないということです。多くの方が勘違いしてしまうのは、トリガーにより一時的に改善することを治ったと捉えてしまうことです。
根本的に治るというのは、本来あるべき位置に戻り、さらにそこで安定することです。代替療法のトリガーだけ与えても、原因となる思考や行動習慣がそのままであれば、またズレた位置に戻ってしまい、症状が現れることになります。
「根本的に治る」ということを考えてみる
自己治癒力の本質、治すのは自分自身
- 思考の癖を正すこと
- 食生活を見直すこと
- 日常生活を見直すこと
- 人間関係を修復すること
「根本的に治る」とは具体的にどのようなことでしょうか。漢方の場合、頭痛や風邪のような急性疾患については、適切な養生を行い、漢方を服用することで症状が数時間から数分で改善することがあります。これは漢方がトリガーとなり自己治癒を促すためであり、結局は自分自身で治るということです。ただ、漢方を服用しても養生を怠り、身体に負担をかけ続けると、自己治癒は促されず、風邪ですら治らなくなります。
また、発熱して自分自身を治そうとしているのに、解熱剤を使うと症状が長引くどころか、他にも皺寄せがきます。急性疾患でなく、慢性疾患についても同じことが言えます。
例えば、血虚(けっきょ)という簡単な症状に対して、血を補う漢方薬を服用することで改善することがあります。ただし、漢方薬の服用を止めた場合、同じ症状が現れることがあります。これは、元々の食生活や、血を過剰に消耗してしまう思考や行動習慣が改善されていないためです。
つまり、思考の癖を正し、食生活や日常生活、人間関係を見直すことが重要です。これらのことは地味に感じられますが、本来あるべき位置に戻るためには、自分自身で改善することが根本的な解決方法です。それが「根本的に治る」ということなのです。